旅人DAIの日本に居たり世界に居たり。僕の日記です。
ニュージーランド酪農体験記
ニュージーランド酪農体験記

ニュージーランド酪農体験記

ニュージーランド酪農体験記

 

 ニュージーランドは夏の日差しの照りつけが強くなり、日中は大分暑くなってきています。

 ニュージーランドの日差しは本当に強いので毎日日焼け止めや水分補給が必須です。ですが、ニュージーランドの夏はサマータイムという素晴らしい制度があり、冬に比べて1時間多いため、遅くまでビールが飲めます!だから、僕はニュージーの夏が好きだ。最近は夜の10時くらいまでは明るいので夏を満喫したいですね。

 さて、今回何を書いていこうかなと考えているのですが昨年の7月から12月まで北島のタウポという場所でDaily farm(酪農)の仕事をしていたのでそれについて書いていこうと思います。

Daily farm (酪農)について

 New Zealandにおいて1番の産業が農業だということをご存知でしょうか?生産物の約七割を国外に輸出しており、農業がニュージーランドを支えていると言っても過言ではないです。ニュージーのイメージで言えば、キウイフルーツとかが有名なイメージですが、酪農もまた大きな産業です。

 酪農の仕事といえば、想像するのはミルクを絞るという作業ですよね。まさにその通りです。搾乳作業をしてミルクを工場に出荷する。これが主な仕事です。ですが、それだけではありません。子牛にミルクをあげたり、牛が食べない雑草を除草したり、牛が食べる牧草をきれいに維持しなくてはなりません。また、怪我や病気になった牛たちをしっかりケアしてあげるのも一つの仕事です。実際に自分が働いていたファームでは、オーナーが問題がありそうな牛を選別して、ペニシリンを打ってあげたり、歩き方がおかしければ爪を切ってあげたりとケアをしてあげているのが印象的でした。

 僕は今まで酪農という職種にはついたことがありませんでしたが、お客さんの手に牛乳が渡るまで農家さんの苦労と努力があるということを身をもって体感できました。約4ヶ月ほど経験したニュージーランドでのデイリーファームジョブについてどのようなことをしたのか具体的に書いていきたいと思います。

デイリーファームでどんなことしたの??(前半)

 僕がファームに来て一番最初に任された仕事はFeedingでした。Feedingは子牛にミルクをあげる作業です。7月の下旬に働き始めたのですが、この頃から10月初旬頃まではCalvingシーズン(子牛がたくさん産まれる時期)と言われ、子牛がたくさん生まれる時期です。多い時には1日に約30頭もの赤ちゃんが生まれます。この時期が酪農にとって最も忙しい時期になります。僕のシフトは朝6時に出勤、8時頃までにFeedingを終わらす。その後に、生まれた仔牛をピックアップしに行きます。牛たちは基本放し飼いなので、ハイラックスにケージをつけて牛たちがいる場所へ向かいます。この仔牛をピックアップするCalvingという作業はなかなか体力が必要で、1匹約20kg強の生まれたばかりの仔牛を捕まえてケージまで持っていかないといけません。キャッチしようとすると逃げてしまったりしたので大変でした笑笑。また、この際に性別を判断して選別しなければいけません。メスの仔牛はキープして育てて、乳牛になります。しかし、オスの場合はそうはいきません。悲しい事実ですが、オスの仔牛は生まれてから4日間ミルクをあげた後、トラックが迎えに来て肉工場に搬送されます。オス牛はミルクを作れないからです。この事実を知った時衝撃を受けて2ヶ月ほど牛肉が食べれませんでした。畜産をやる上で、命が犠牲になるということを知りました。

 Calvingが終わったあとは、牛小屋に戻り清掃などといった雑務をした後、12時から13時まで1時間お昼休憩があります。僕の住んでいる家がファームの敷地内にあったのでお昼を食べた後、疲れた時には少しソファで昼寝していました。お昼休憩が終わった後は、1時間雑務をした後、午後のFeedingが始まります。ピーク時には1人で200頭以上の仔牛たちにミルクをあげなくてはいけなかったので当初は終わるまでに約3時間ほどかかりました。また、Feedingで一番大変なのは生まれたばかりの子牛にミルクの飲み方を教えなくてはいけないことです。もちろん、子牛たちはものすごく可愛いのですが、仔牛の口をフィーダー(餌やり器)の飲み口まで運ぶ際に、首を横に振って嫌っがったり、全然飲んでくれないので少しばかり苛立ちとの戦いでした笑笑。生まれてから2日ほど経つとミルクの味がわかり、進んで飲んでくれるのでこの時は楽でした。僕が働いていたファームでは体重が80kgを超えた子牛がミルクを卒業していきます。約3,4ヶ月でFeedingの作業は終わります。子牛全員がミルクを卒業して、もうミルクをあげなくていいとなった時はめちゃくちゃ嬉しかったです!

 

[シフトタイムテーブル]

 

 6:00~8:00    Feeding ミルクの時間

    8:00~9:00    Breakfast time 朝食

    9:00~12:00  Calving and cleaning 仔牛を捕まえにいく、牛小屋の清掃

   12:00~13:00  Lunch time  昼食

   13:00~14:00  something to do 雑務

   14:00~17:00  Feeding ミルクの時間

・1 day off per week  1週間に1日休み

   

 10月の初旬頃まで、このようなシフトで働いていました。1日2回1時間休憩があったので1日実質9時間勤務でした。働き始めた当初は本当にファーム未経験でわからないことばかりだし、体力的にきついっ仕事だし、心が折れそうになったことが何度もありました。しかし、オーナーや他の従業員たちが優しく丁寧に仕事を教えてくれたので頑張って仕事を覚えてこのファームに貢献しようという思いでくらいつきました。

ミルクを飲む子牛

デイリーファームでどんなことしたの??(後半)

 約4ヶ月と半月Daily farm(酪農)で働いたのですが、後半の2ヶ月間は牛のミルクを絞る作業、通称Milkingを主にしていました。これこそが酪農のメインの仕事です。搾乳というと手作業で丁寧にバケツにミルクを絞っていくというイメージを僕はしていましたが、働いていたファームでは約800頭以上の牛を飼育していたので当然機械を使って絞っていきます。下の写真のようなターンテーブル式のマシンを使っていました。

ミルキングの様子

 

 牛がマシンの中に入っていき、搾乳が終わったら出ていきます。なんとも効率的なマシンです。ミルキングは作業自体は単純ですが、一頭一頭乳頭にカップをセットしないといけないので最初の1週間は慣れるまで肩が痛かったのを覚えています。また、朝の4時半から勤務が始まるので早起きが一番体力的に辛かったです。朝のミルキングは4時半から大体8時くらいまでの約3,4時間でした。従業員が4人いたので毎日代わりばんこにミルキングをしていました。また、ミルキングをする番ではないときは牛を牛小屋に連れてくるということもしないといけません。ミルキングが始まる約20分前に牛のグループがいる場所に行き、ゲートをオープンして牛小屋まで歩かせます。ものすごい大きなファームなので、ファーム内はバイクで移動していました。人生で一度もバイクに乗ったことがなかった僕は、バイク好きのオーナーに乗り方を教えてもらい練習しました。慣れてくるとすごい楽しいのですが、ファーム内はぬかるみや牛の足跡のせいででこぼこだったので何度もスリップしたのを覚えています。また、一番のバイクでの恐怖体験は丘を登っている時にアクセルが足りず、そのまま下に落ちてしまったことです。丘を転げ落ちるなんて二度としたくないですね笑笑。

 ミルキングの話に戻りますが、午後も2時あたりから2回目の搾乳が始まります。このターンテーブル式の機械は効率的でなんと速さを調節できることができます。朝の場合は牛がミルクを一晩貯め混んでいるため取れる量も多く、1頭あたりの搾乳時間も多いため、機械を遅めに設定しますが、午後のミルキングは朝に比べて取れる量が少ないため早めに設定します。初めの頃は速めの設定だと機械についていくことができなかったのですが、徐々に速さに慣れていき、最終的には他の従業員と同じ速さでミルキングをすることができました。

 

[シフトタイムテーブル]

4:30~8:00  Milking   搾乳の時間

8:00~9:00  Breakfast  朝食休憩

9:00~12:00 Cleaning or spray weed 雑務の時間(牛小屋の清掃や雑草を除去していました)

12:00~13:00 Lunch time お昼休憩

13:00~14:00 Cleaning 雑務の時間

14:00~17:00 Milking  搾乳の時間

・8 days working / 2 or 3 days off 

(8連勤をした後2連休、また8連勤した後3連休というシフトでした)

 Feedingが終わった10月初旬ごろからはこのようなシフトで働いていました。毎回8連勤は正直しんどかったです。ほんとに毎日眠くて眠くて、仕事終わってシャワー浴びて、ご飯食べて寝るだけの日々でした。この約2ヶ月間は体力的にすごいしんどくて、1度体を壊し、丸々1週間休みをもらったこともありましたが、今となってはこの怒涛のファームライフを乗り越えたんだからどんなフィジカルジョブでもできるだろうという自信がついています。笑笑

お給料はどうだった?

 お給料について触れていこうと思います。僕の時給は22.5ドルでした。日本円だと大体1,750円くらいです。今、ニュージーランドの最低時給が20ドルくらいなのでそれより少し高いくらいですね。他のファームを見ているとこれより高い時給だったりもしたので、もし働く場合は時給をしっかり確認し比べることが大事だと思います。また、ニュージーランドはホリデーペイというものがあり、働いた期間に稼いだお金の8%を受け取る権利が労働者にあります。(会社によりますが、時給の中に8%のホリデーペイがあらかじめ設定されている場合もあるのでご注意を。)ですので、僕自身の場合、時給22.5ドル+8%のホリデーペイが支払われました。僕の場合、ホリデーペイは仕事の期間が終わった後まとめて支払われました。気持ち的には小さな退職金みたいな感じです。4か月間しっかり働くことができたので貯金は結構できましたね。

英語はどうだった?

 やはり、どこもそうですがニュージーランドで働く場合は英語が最重要ですよね。僕が働いたファームでは従業員が現地のKiwiの人だけだったので、当然会話は全て英語です。働き始めた当初はすでにニュージーランドに1年以上住んでいた状態だったので、多少の英会話はできるつもりでいました。しかし、ここで大変だったのは英語のアクセント(訛りでした。田舎ということもありローカルアクセントを聞き取るのがすごい難しく、最初の1ヶ月はすごい耳を傾けて会話に望んでいたのを覚えています。Goodye mateとかWhat’s up to?とか、最初なんのこと言っているかわからなかったので英語を従業員に教えてもらったりもしました。働き始めて2ヶ月後くらいに「お前の英語最初より上達しているよ。」って言われた時はすごい嬉しかったです。従業員みんなほんと優しくて働いていて居心地が良かったです。

 このファームで感じたことですが英語はもちろん大事ですが、しっかり仕事を覚えて、それをこなして信頼を得ていくことも本当に大切なことなんだなと感じました。

ファームのメンバーと僕
まとめ

 合計約4ヶ月ほどのDailyFarmLifeでしたが、このファームで働けて本当に良かったなと感じています。もちろん日々の早起きや仕事内容はハードでしたが、オーナーや他の従業員が仕事や酪農に関する知識を丁寧に教えてくれたり、飲みに誘ってくれたりと、このメンバーのなかで働けてほんとに良かったなと感じました。酪農という仕事は本当に大変なお仕事です。普段スーパーで何気なく買っている牛乳ですが、僕たちの手元に届くまでに酪農家さんのとてつもない努力があるということを身を持って感じることができたことは、僕にとってとてもいい経験になりました。牛とファームのメンバーとともに働けたこの期間はとてもかけがえのないものです。また、北島に戻ったら寄ってみようと思います。ですが、ファームジョブはもう懲り懲りなので、働く気はありません。笑笑

 長い文章にお付き合いいただきましてありがとうございました。ニュージーランドで感じていることをもっと皆さんに伝えていけるように継続して文章を作成していきたいと思います。

Dai

 

 

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